令和2年6月より、舌下免疫療法をスタートいたします。
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法のひとつに、アレルゲン免疫療法があります。
アレルゲン免疫療法は、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていましたが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用できるようになりました。お薬で症状を抑える「対症療法」とは異なり、いわゆる「体質改善」により症状を緩和する治療法です。
「舌下免疫療法」は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された患者さんが治療を受けることができます。
スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎の一般治療は、お薬を使用し症状を抑える治療(対症療法)です。薬をやめれば戻ってしまいます。
対して、舌下免疫療法は、体質を改善しアレルギー反応がでないようにする根本療法で、治療が完了すれば基本的におくすりの必要はなくなり、毎年の花粉症から開放されます!
以前は注射を週一回打つことにより体質改善を行っていました。毎週通院したり、副作用が出やすかったりして続けることが出来ない方がいました。舌下免疫療法は、月一回の通院で治療可能です。副作用は少なく安全になっていますが、念のためどのようなことが起こりうるかはご理解頂く必要があります。
以下の流れになります。初回、2回目は予約をお取りください。
1.初回(所要30分):治療の説明、アレルギー採血検査
2.2回目 1週間後(所要60分): 検査結果がアレルギーが確定の場合、薬局で薬処方受け取り、医院に戻り初回服薬し副作用チェック
3.3回目 1週間後に受診: 診察と維持量薬の投薬、以後、4週間ごとに通院、投薬
舌の下にお薬を置き、粘膜から抗原成分を体に吸収してアレルギーに抵抗力をつけていきます。
薬を開始した最初の1週間は少ない量、2週目以降は通常量を投薬します。最初の1回目だけは、やり方をお伝えするためと、副作用がないか確認するため診療所で行い、30分お待ち頂き副作用の有無を観察します。それ以降は、ご自宅で毎日行っていただきます
はい、健康保険が使えます。また、マル子の医療証もご利用いただけます。
5歳以上が治療の適応ですが、アレルギー採血検査ができること、お薬の舌下保持を規定時間可能であることが必要です。当院では未就学児の採血検査を行っていませんので、小学生以上のお子さんを対象とします。
アレルギー検査でスギアレルギー、ダニアレルギーが陽性であることの確認が必要です。以前、検査をされたことがある方は、1年以内の検査であれば検査結果をお持ちいただいても結構です。
ただし、以下の方は適応になりません。
スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、初回治療開始は5月の連休明けから11月までになります。
ダニアレルギーに対する舌下免疫療法はいつでも治療開始可能です。
スギ花粉やダニといったアレルギーをお持ちの方にそのエキスを投与し治療を行いますので、アレルギー反応が起きる可能性があります。重篤な場合はアナフィラキシーショックとう強いアレルギー反応を生じる可能性もあります。
ただし、これまで舌下免疫療法にともなう重篤な副反応はきわめて稀であり、注射による免疫治療よりもかなり安全とされます。また、ショックに至るような事例は通常の服用例ではなく、過量服用や体調の悪い時が多いといわれています。
継続するか、中止するか、副作用の程度をみて判断となります。軽い場合は一時的に抗アレルギー薬を使用して様子を見ていきます。
以下のような副作用が出ることがあります。
診察代、処方箋発行料、薬局のと薬代と合わせて1ヵ月あたり3,000~4,000円の負担(保険適応3割負担の場合の場合)となります。アレルギー検査実施時は、プラス4000円ほど追加となります。
医療証をお持ちの方は、利用可能ですのでご提示ください。
お薬が維持量になると月1度受診していただきます。効果が発揮されるためには3年、できれば5年の通院を推奨されています。
治験の段階で、スギ花粉症は治療導入の翌シーズンから症状の緩和を実感できたと報告されています。また、ダニアレルギーでは、6か月過ぎから症状の改善が少しずつ認められました。(個人差があります。)
治療の概略をつかんでいただくため、このページの上の動画を必ずご覧ください。また、こちらのよくある質問にすべて目を通してください。
まず、通常の受診をお願いします。お話を伺ってから治療計画を立てていきます。